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第6回 想定外の出来事が生じた場合のメンタルヘルスケア


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村方 多鶴子
(看護学部 准教授)

該当目標

ページ内目次


Webエッセイ

1. はじめに

日本は地震や台風などの発生が多い国で、過去に幾度となく甚大な被害を受けてきました。特に1995年の阪神?淡路大震災、2011年の東日本大震災、2019年台風19号の際には、「想定外」の出来事に私たちはテレビに釘付けとなり、「こんなことが現実に起こるのか」と愕然とした人が多かったと思います。自然災害の場合は、一瞬でビルや道路の崩壊、川の氾濫などで地域一帯が破壊され、ライフラインの寸断が起こり、生活スタイルの変更を余儀なくされてきました。
今回、澳门金沙官网_澳门金沙赌城¥博彩平台感染症(以下、コロナ感染症)が中国で発生したことがニュースで配信されはじめましたが、私たちのほとんどは「海外の出来事」として深刻には捉えていなかったと思います。その後徐々に感染が世界に広がり、他の国では外出禁止令によりゴーストタウン化した街の様子をテレビで見ながらも、日本に住む私たちはまだ普通に生活していました。ついに日本でも感染者数?死亡者数が連日報道されるようになっても、一部の大都市の出来事と捉え、自分の地域でも緊急事態宣言が発令されるとは、想像していなかった人が多いのではないでしょうか。

2. 澳门金沙官网_澳门金沙赌城¥博彩平台感染症に伴う不安

コロナ感染症の症例が発表されるようになり、当初はSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)と比較されていましたが、その実態は明らかではありませんでした。しかし徐々に、症状、感染と発症の関係、急激に重症化し死に至ることもあること等が明らかになっていきました。まだ有効な治療薬やワクチンが開発されていない段階で、日々感染者や死亡者が増加するニュースを聞き、自分や自分の身近な大切な人が感染するのではないか、死に至るのではないかという不安をもった人も大勢いらっしゃるでしょう。また、高齢者あるいは糖尿病?心疾患など持病のある家族がいる方は、自分が媒介者となりその人たちに感染させるのではないかという不安を抱いた方もいらっしゃったと思います。
このように、死を意識させられる体験は、人のメンタルヘルスに大きな影響をもたらします。あるいは、死を意識するほどではなくても、突然日本全体に緊急事態宣言が発令され、「ステイホーム」という非日常的な生活を強いられることになりました。これにより、私たちは当たり前という意識すらしていなかった学校や仕事に行くこと、友達と会うこと等ができなくなったのです。特に一人暮らしの人は誰とも顔を合わせることなく、家の中に閉じこもり、見通しがないまま益々不安が募る人もいたでしょう。「いつまで我慢」という目標があれば、何とか凌ぐことができますが、日々報道されるデータはなかなか改善せず、さらにステイホームが延長になることが予測されました。またそれに伴い、経済的不安を抱え明日の目途が立たないなど、様々な不安に押しつぶされそうになったと思います。

3. 不安を抱くのは当たり前の反応

今回のステイホームにより学校や職場?コミュニティという自分の居場所が一旦なくなり、一日中誰とも会わずに過ごす日々が続きました。特に4月に入学あるいは社会人一年生となった人は、新しい生活を夢みて、4月が始まるのを緊張しながら心待ちにしていたと思います。それにもかかわらず、まだ登校/通勤ができず、友達もいない環境で、分からないことがあっても誰に相談していいかも分からず、戸惑っていると思います。すでに実家を離れ、一人暮らしを始めていた人もいるでしょう。そういう中で、先の見えない日々が続くと、落ち込んだり、悲しくなったり、食欲が低下したりすることがあります。しかし、こういう状況で不安になることは、ある程度自然な反応です。しかし、その状態が長く続き、深刻にならないために、次の事に気を付けて生活するように心がけましょう。

4. 今の状況を乗り越えるために

1)規則的な生活を送る
学校や仕事に通う場合は、決まった時間に起きて出かける習慣が身についていたと思います。しかしそれがなくなると、つい夜更かしをして昼夜逆転となりがちです。私たちの体では、夜間の睡眠中に大切なホルモンが分泌されますので、外出する機会がなくてもいつもと同じ時間に寝て起きるという習慣を崩さないように心がけましょう。
睡眠にはメラトニンとセロトニンという物質が影響し、相反する動きをします。メラトニンは暗くなると(夜間)急速に分泌され、深部体温を低下させ、睡眠を誘発する作用があります。一方光を感知すると(日中)減少し、自然な目覚めにつながります。反対にセロトニンは朝日を浴びると分泌され、夜になると減少します。私たちの体内時計は25時間リズムとなっていますが、朝日を浴びることで、24時間にリセットされます。
そこで、朝になったらカーテンを開け朝日を浴びることが大切なのです。またセロトニンは気分や不安、衝動などをコントロールしますので、後で述べるうつ病を予防するうえでも朝日を浴びることは私たちにとって重要な意味があります。
既に生活リズムを崩している人もいるでしょうから、その場合は、深部体温が低くなると眠くなる仕組みを利用してください。寝る2時間くらい前に入浴(38~40℃)し、一旦体温をあげると、下がっていくときに心地よい眠りにつくことができます。自分で時間を管理しながら、リズムのある生活を心がけましょう。